モータースポーツ室

 

スポーツカーを 長く乗っていると 必ず必要になるのが 各部の オーバーホールです。そこに手を入れるのか、入れないのかで 乗っている意味が変わるほどに効果があり、その効果の高さから「リフレッシュメンテナンス」と呼ばれています。ここでは実際のサスペンションリフレッシュメニューを写真付きでご説明してみたいと思います。

 

これは BNR32GTRの サスペンションリフレッシュ交換済みパーツの画像です (1台分)
サスペンションリフレッシュの 大きな目的は 足回りにある ゴムブッシュの フル交換。この ゴムブッシュには 種類があり ゴムブッシュのみで交換できるところと圧入されているアームと一緒に 交換する必要のある箇所 大きく分けると この2種類に分かれます。

こうして 画像にすると 良く分るかと思いますが それぞれのサスペンションパーツはブッシュを介することで 取付けされています。

例えば サスペンションメンバーと サスペンションアーム サスペンションメンバーと ボディー本体ショックアブソーバーと サスペンションアーム これらはすべて ブッシュと呼ばれる ゴム部品にて余計な音や振動 走行中のアライメント変化の抑制や ショックアブソーバーの役割もしてくれたりと高度な設計の元 スポーツカーで一番肝心な 操る楽しみを 演出してくれている要となっています。

 

スポーツカーを 長く乗っていると 必ず必要になるのが 各部の オーバーホールです。そこに手を入れるのか、入れないのかで 乗っている意味が変わるほどに効果があり、その効果の高さから「リフレッシュメンテナンス」と呼ばれています。ここでは実際のサスペンションリフレッシュメニューを写真付きでご説明してみたいと思います。

  • フロント サスペンションリフレッシュの 交換部品類になります まずは フロントサスペンションの サードリンクです

  • ここには ベアリングが圧入されており 定期的なメンテナンスが 必ず必要な場所ですが 見た目では ベアリングが入っている事は 分りにくいでしょうね 潤滑用のグリス切れ 劣化によるガタつき 最悪の場合 中で焼き付いている場合があります

  • フロントサスペンション アッパーリンクです BNR32の場合 定期交換部品と言って 差し支えないほどに 交換率は高いと思われますが それだけ ここに負荷がかかってしまうという事の 結果からです

  • フロント サスペンション テンションロッドです

  • 痛むと この様に 亀裂が入ってしまいますが 特に ブレーキング時に 悪影響が出てしまいます

  • スタビライザーの コネクティングロッド (スタビライザーとサスペンションアームを繋いでいるロッド) スタビライザーブラケット ブッシュの 2つです ブッシュは 応力が掛かって変形しており ロッドはグリス漏れしています この状態では スタビライザー本来の機能は 半減してしまいます

  • フロント ロアリンク ボールジョイントです ここにも グリスが入っており 特に サーキット走行している 車両は 熱による影響を受けています

  • ステアリングギヤASSYを 固定している ステアリングギヤマウントブッシュです 硬化して 変形 痩せてしまう為 ステアリング操作時の ダイレクト感が 損なわれてしまいます

  • フロントセットには フロントドライブシャフトブーツ 全数交換が 含まれています ここも GTRの場合 消耗品です

  • 同じく フロントセットには パワステリターンホースの交換が 含まれています BNR32の場合 ここも 消耗品となります

  • サスペンションリフレッシュ リヤセットの 交換部品類です まずは リヤ サスペンションメンバーASSY ここには 大型のブッシュと リヤデフ用の マウントブッシュが 圧入されています

  • 分りやすくするために 痛んで切れていた フロント側の ブッシュを押してみると 簡単に、中の オイルが出てきました 既に漏れていたり 抜けきって ガタが出ている車両も多いです 使用条件の 悪い車両では メンバー本体に 損傷がある場合もあります (曲がりクラックなど) BNR32の場合 ハイキャスの動きが云々・・ と言った話が ネガティブ要素の、噂話としてありますが メンバーに 遊びがあれば 安定感に欠けた 動きになってしまいます。

  • リヤ アクスルハウジング と リヤアッパーアームの フロント側と リヤ側です

  • それぞれに 違う働きをする ブッシュが圧入されていますが すべて痛んでしまっており ブッシュ本来の 仕事は出来ていませんので 性能の低下が 顕著に出ているハズです

  • リヤ スタビライザーマウントブッシュです こちらも 応力で 潰れて変形しきっています 固定して、支えることが出来ませんので 性能は半減します

  • ハイキャスの インナーソケットです

  • こういった ボールジョイント部というのは ピロなんかと 同じですので 定期的に ガタがでます 同様の場所が 足回りには いくつかあり 反応の良さや 性能の向上から 採用されている こうしたジョイントは メンテナンスがされなければ 本来の性能は 望めなくなります

  • BNR32 リヤサスペンションリフレッシュメニューには リヤデフの オーバーホールが含まれます * BCNR33 リヤリフレッシュメニュー標準車にも オプション設定有 純正のデフであっても 機械式LSDが 搭載されている車両は 定期的なオーバーホールは必須です BNR32やBCNR33オーナーで 今までに1度も オーバーホールをしていない 車両は すでに LSDが 効いていないと 考えた方が 賢明です

  • サスペンション リフレッシュセット オプションに ハブベアリングの 交換があります ベアリング内部には グリスがありますので 交換時期が もともと 設定されています 上の フロント側は 潤滑不良から ベアリング自体が 削れており 進行すると 焼き付きます ハブベアリングは 直進安定性能 コーナリング安定性能 ブレーキング安定性能 異音 がたつき 燃費の悪化など 影響が大きく 最悪の損傷となると 走行中に 大事故に繋がる可能性もあります

以上がサスペンションリフレッシュメニューに含まれている交換部品となります。こうした主要な足回り部品の交換で得られる満足度というのは、今後も高性能な状態で長く乗れるようになった。という事が、最大の満足になります。

ほっておけば普通に乗ることはもちろん車検にも通らなくなりますし、自分では気が付かない危険と隣りあわせなのかも知れません。例えば、こうしたオーバーホールをしないでおくと個別の部品での交換を余儀なくされます。

写真の様にこれだけのブッシュが性能を維持している要因であれば、単体で交換を繰り返していっても、新車時のような高性能と乗り心地などの良さをあわせもった足回りの動きには戻ることはありません。しかしながら、こうしたリフレッシュメニューのような全体的なオーバーホールであれば、驚くような性能の復活が実在します。

まさに新車の乗り心地と称しても良いほどだと思います。

ショックアブソーバーについて

  • ショックアブソーバーの交換は リフレッシュメニューには 含まれません これは みなさんそれぞれの サスペンションの仕様が、違うからなのですが 一緒に ショックアブソーバーまで 新しくすると さらに 性能が向上します。 こうした 社外製サスペンションキットへ バージョンアップさせてみたり (ニスモ オーリンズ TEIN 他)

  • もちろん 純正ショックアブソーバーを 新しくするのでも とても良くなります * BNR34には Mスペックサスペンションキットが オプションで設定有

  • 現在 装着されている 社外製ショックアブソーバーを オーバーホールする時期としても 最適です (オーバーホール対応ショックのみ)

  • 自分のクルマにはどんなサスペンションが合うのか?また自分が理想としている足回りの動きに合わせるにはどういったモノが良いのか? そういったご質問には実際の車両やオーナーさんの使用方法を加味して専門のアドバイザーがアドバイスを致します。

強化ブッシュへの仕様変更について

サスペンションリフレッシュメニューに含まれるブッシュ類をNISMO強化ブッシュへバージョンアップをしたい場合、部品代や工賃の差額での対応が可能ですので、興味のあるオーナーさんはご相談下さい。フル強化ブッシュの対応から乗り心地に影響の無い 化ブッシュの選び方まで、専門のアドバイザーがアドバイスを致します。

その他 追加パーツについて

サスペンションリフレッシュに関連しない箇所での 不具合というのは 距離を乗っていたり10年を経過している 車両であれば 発生していても おかしくはありません。総合的に 判断していくことも 肝心かと思いますので
リフレッシュメニューを検討する 前段として リフレッシュ点検にて 車両コンディションのチェックをしておく事を お勧めします (リフレッシュ点検 ¥22,000(税込み))。

例えば サスペンションに関連する 部位としてはステアリングギヤ本体の不良 タイヤの溝 もしくは年式 ブレーキや ブレーキホースなど・・

その他 一緒に ニスモなどの 足回りに関する チューニングパーツの 同時取付けやご相談は お気軽にお申し付け下さい。

最後に、今回の作業事例として取り替え部品を掲載させていただいたBNR32オーナーさんに、作業後の感想をお聞きしてみました。実は、当日工場から車を動かした数メートルで、オーナーさんは大変驚いていらっしゃいました。

「違います! 全然違いますよ!」そうおっしゃられて帰路につかれたんですが、とても嬉しそうに興奮していましたね。翌朝オーナーさんから電話があり、「とにかく良くなりました! こんなに変るなんて本当にびっくりです!BNR32ってこんなに剛性のあるクルマだったんですね。ますますこのクルマが好きになりましたよ!!」
そのようなお褒めのお言葉を頂くことが出来ました。リフレッシュというのは、チューニングでは無くメンテナンスが必要な場所をオーバーホールしていく作業です。

しかしながら そういった 基本的なメンテナンスが 起こしうる効果というのは下手なチューニングを はるかに凌駕するほどの 満足感を与えてくれたりします。最近 なんとなく 速くないな・・ とか 乗り心地が悪いと、言われる様になったんですよね・・または 高速道路や 山道を走っていても 昔ほどの 感動がなくなりました 等・・・
自分自身が スカイラインGTRに 飽きてしまっているのではなくてもしかしたら 愛車からの 何らかの SOSなのかも知れません。

スポーツカーの 本当の楽しさというのは 人馬一体 操る楽しさです。ただ 長く乗っていくのではなく最良の状態で 楽しく乗っていくことこそが カーライフを きっと 豊かなものにしてくれると思います。